跡継ぎの長男が、母、次男(公務員)の前で、父の遺産に関し、次のような説明をしました。「父の遺産は、自宅と農地 、預金が3000万円の時価合計6000万円程ある。一方で、負債が、1億を超えている。」
そして、長男は、「負債も全て自分が背負うから、全ての遺産は自分一人が相続させて欲しい。」と、言ったのです。
次男は、農業を継ぐ意思がなく、また、長男の説明を信じ、父の遺産を全て、長男が相続する内容の遺産分割を行いました。
その後、母が亡くなり、長男と次男は、母の遺産相続について話合いをしました。
そこで、実は、父には、負債がなかったことが判明したのです。
慌てた次男は、弁護士に相談し、長男を相手に遺産分割協議無効確認訴訟を提起しました。
長男は、父が亡くなった際の説明が不十分であったことを認め、次男に不足分の金銭を支払うことで和解が成立しました。